君の愛は報われない。THE NETHERを観てきました。
北山宏光さん主演舞台THE NETHERを観てきました。
めっっっちゃくちゃ良かった!!!!!
北山くんが良かったのはもちろん、中村梅雀さんやばすぎる。すごい。すごすぎる。そして作品全体が素晴らしい。つまり、大好きなやつです。
ネタバレ含みますし、私の独断と偏見の場なのでこの後は皆様自衛してください。
よし!注意終わり!
共演者様がまず素晴らしすぎました。
開始5分で「ダメだ……北山くんとはレベルが違いすぎるすごすぎる…」なんて思ってしまった。
しかしそんな方々とお仕事出来るのが北山くんにとってすごく良いと思う。北山くんの役者部分が磨かれていく…。
当たり前なんだけど、アイドル北山くんのファンの方が多いんですよ、劇場。
私もそうだけど。
だからかなぁ…解釈が全然違ってて。
聞こえてくる声が、北山くん可愛かったぁとか、はぁ?って思うようなものばかり。
しかし、アイドルとしてのファンがいないことには劇場は埋まらないからね。
あと役者としてのファンばかりなら実力の差とか言われちゃうじゃん?嫌じゃん?北山くんよかったし。これからまたもっと伸びると信じてるし。
中にはこれをきっかけに、舞台っていいなぁって思ってくれてる人がいると信じてる。(てかお前誰やねん)(上から)
まず、ウッドナット。
素晴らしかったです。
原作チェックさえせず、ネタバレも見ずに行ってたので、見てるときに同一人物と思ってなかったんだけど、喋り方とかがモリスみたいだなぁ…調査員ってみんなこんな喋り方になるのかなぁとか思っていた。
見事に騙されたし、見事に伏線にひっかかる私素直かよっ!(自分で言う)
ドイルに行き着く手がかりをアイリスから得たときとかさぁ……いや…ウッドナットにモリスが重なって見えて、凄かった。深い……すごい好きでした。(語彙力)
そして言わずもがな、北山くん素晴らしい…。モリスの初恋がすごく切なかった。
これが初恋なのか……つらい……あまりにも辛すぎないか…。
正しいことがすべてじゃなくて、正しくなくても良いかもしれないこともあって。
真実が全てとは限らなくて。
大切に扱ってるつもりでも、追い詰めていたりする。
愛だと思ったら刃だったりする。
物事の表と裏と。
表には必ず裏があるとは限らなくて。
心を許さないための行為。
何度も再生する……あのあたりのモリスの語りは凄まじい。北山くん、朗読やってみない?(話逸れた)
実力の差とか言ったけど北山くんは充分すごかったです。
特に、ドイルと一緒に仮想空間に行くところ。
アイリスの様子がおかしいと気付き、焦るところ。
彼は一生懸命で、その愛が切なかった。
そして、ドイルが命を経ったとき。
お前が殺したと言われてモリスの体温がひいていく。
力が入って、抜けて、彼の中での感情の流れが手に取るように伝わってくる。
セリフのない時間。
あの時間がめちゃくちゃ長くて、でも短く感じた。
言葉はないけれど、彼の表情から彼の気持ちがぶわーーーーって流れ込んでくる感じ。
すごかったよね?!ねぇ?!だよね?!(誰)
そして、椅子に座った腕がだらりと垂れ下がり、船の場所を聞き「……ありがとうございます」と言う。
彼が仕事として「ありがとうございます」と言うのが、つまり、現実世界にいるのが、すごく、すごく、苦しかった。
彼はあんなにも現実世界で父とのつながりを欲していたのに、ね。
何度でも言う。
北山くん、素晴らしかったです。
あーこれはもう1回観たかったなぁ…。
1回きりなので、一度そうだとわかった上で観るとまた違ったかも。
1回見ただけじゃ頭に入んないんだよなぁ〜まだまだ気付いてない部分たくさんあるんだろうなぁ。こんなに素晴らしい作品をもう見られないなんて……つらい(重
パパとアイリスの関係には深く考えさせられた。
前の子、最初の子。
現実世界ではダメだけど仮想空間なら良いのか。現実に放たないための仮想空間だとしても、仮想空間が傷付けている。
これら全て、私は推しについて考える機会になった。SNS利用が推しを傷付けることになるかもしれない、とか。なんか普段の生活を見直す機会になりました。
今後も余計なことは言わないように気をつけます。(自制)
まだ浅くしか観られない奴だけど、最後のシーンは号泣してしまいました。
まず、取調室でドイルが椅子の下に座ったとき、私の目にはドイルがアイリスに見えました。
この子だったのか…!!と、その姿から納得出来た。
梅雀さんの所作はさすが。ペタンと座る姿は、あぁぁっ儚いっっ可愛い少女!!!って感じだった。少女だった。
すごい……もう、その言葉しか出ないけど、ほんとすごい。
だから最後のシーンで号泣した。
梅雀さんと平田さんのシーン、めちゃくちゃすごかったです。
ケーキを見てるところ、追いかけっこするところ、「パパ愛してる」って言うところ。
すごく美しい世界で。
今この文打ってても思い出しただけで泣きそうになるくらい、このシーンはやばい。切ない。ツライ。
「愛してる」に濁りはなくて本当に愛していて。
愛されたくて、居場所が欲しかった。
愛されているのにそれは欲しい愛ではなく、満たされなくて。
現実世界にいたくないと言うドイルの願いが見せた世界。
最後のシーンの梅雀さんは、ドイルでありアイリスであり、2人の姿が重なって見えた。
ちなみに私は久々に号泣したんですが、会場は笑いの渦だった。(あれ?)
ちょっと理解出来ないけど、どう解釈したら笑えるのかわかんないけど、多分、モリスじゃなく北山くんとして見ていて、ドイルじゃなく中村梅雀さんとして見ている人達が多いんだろうなぁというところに行き着いて納得させた、自分を。
私が昔から好きな俳優は「お客さんがどう見ようと勝手。俺もそう見る」って人で。
私もそう。
だから、同じ気持ちになって!!とかは言わないっす。
自由だし。
きっと話してみたら深い深い笑える理由があるのかもしれないですし(友達では笑ってる人がいないのでそんな機会はないけどw)あの場では私は少数派だったし、笑える理由がわからなかった私の解釈こそ浅いのかもしれない。私の感じ方が間違ってるのかもしれないし。
ただ、むしろ、わたしにはその笑い声も演出だった。
この空間には、アイリスが見えない人が大勢いるんだ。
みんなには彼女の姿が見えていない。
今回の仮想空間と現実世界という対比にぴったりだった。
アイリス(仮想空間)の姿が見えていない人達は、今、現実を生きているんだって。
もしかしたら、私はすでに廃人なのかもしれない。
そう思ったらゾクっとしたけど、この感覚は11月の寒さのせいにする。
THE NETHER
1時間55分が見せてくれた世界はあっという間で息つく間もなく一気に気持ちを掴まれた。
素晴らしい舞台でした。
「THE NETHER」
大阪公演/森ノ宮ピロティホール
2019.11.7〜11.10
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