そこは少年刑務所ですか?/映画「少年たち」感想
この映画を観た人に問いたい。
あなたは何を感じましたか?
みんなの感想が聞きたいので、自分も感想を落とす。
あ、先に言っておきます。
ネタバレ有りです、てへ。
まずは冒頭のダンスシーン、1カメショーが素晴らしい。すごく楽しい!!!建物も相まって、深みがある。MVをスクリーンで見ている気分になる。贅沢!!
現代版WEST SIDE STORYみたいだ!
そして、本編。
赤房(SixTONES)は情報屋(田中樹)以外はそれぞれの境遇が語られているが、青房(Snow Man)はコウタ(岩本照)とタスク(深澤辰哉)以外少ない印象。
つまり、赤房側のお話って感じ。
全員を同じように出さないあたり、推せる。
時折入ってくる黒房(関西)のスパイスも面白い。唯一笑えるのが、タツヤ(向井康二)の部分だけだから。
ただ私の主観だけど、メインのジョー(ジェシー)の性格を語るには尺が足りていない感じがするし、ジュンが仲間に心を開く部分も物足りない。
看守とジュンの関係も気になる。
ラストシーン間近で急に気になってしまい、気が散ってしまった。
でもダイケン(松村北斗)とヒロト(森本慎太郎)の勉強シーンは和んだ。
ダイケンは根っからの世話焼きなんだなぁ。ヒロトは常識はないとしてもちゃんと人として大事な感情を持ってる。そんな2人が可愛い。
算数ドリルを解くヒロトにx代入教えるダイケンに、ちょっとそれは無理なのでは?って笑えた。(笑)
それと、本当に使われていた刑務所をロケ地にしたところがすごい。
建物が視界に入るたびに、この建物は、この壁はどんな人達を見てきたのだろうか。と、逐一思いを馳せて忙しかった。
もう今は生きていないほど昔の人達が、ここに実際にいたというリアル。
その当時の人達は、まさか未来に自分達が過ごした場所が、こんな形で多くの人達の目に触れるようになるとは思っていなかっただろうな。
受刑者も、そうじゃない人も、豊かな人も貧しい人も、どんな人でも平等なものがひとつだけあって。
それが「時間」だ。
時空を超えたら、この場所で、リアルな受刑者がいる。でも、それは出来ない。
平等に時が流れ、今、その場所で映画を撮っている。
時の流れにも思いを馳せることになって忙しかった。(2回目)
そして、ラストシーン。
「ショーが始まるよ」
という言葉から繋げるあたりに、製作陣の苦労を感じた。(勝手に想像)
ほぉほぉそうきたか!!これ、よくここまで繋げたな!!って感心してしまった。(上から)
そしてこれは……ジャニー氏の映画だったなぁと思い知らされる。
そういえば出てる先輩の選抜が横山くんと戸塚くんだし、ね。ほんと、ジャニー氏の世界だわ。
そう感じながら、見ていると、ジャニー氏のメッセージが出る。
皆さんご存知、今まで何度も舞台で聞いてきた、あれである。
「子供は大人になれるけど、大人は子供に戻れない」
ジャニー氏は、みんなに平等にある時間に抗おうとしてるのかな。
どうか純粋なままで、そのままで時を止めたい。子供のまま。
そう思いながらショーを見て切なくなり、かつては子供だったが大人になり、不自由な足になってしまった中林(横山裕)を思う。
中林の最期を思うとやりきれない気持ちになった。
そして、エンドロール。
本編のショーだけにしか登場しない、“少年たち”が、華やかな世界で歌い、踊る。
ラストカットは、忍者を中心とした“少年たち”だった。
そして「少年たち」というタイトルと共に、牢獄の扉が閉まる、音。
ゾッとした。
この子たちがいる世界も刑務所なのだろうか。
笑顔を振りまくこの子たちも、投獄されているのだろうか。
純粋なままでいてほしい。
子供のままでいてほしい。
そんな、かつては子供だった大人たちの願望によって、閉じ込められているのだろうか。
そういえば、本編の“少年たち”も、大人の都合で戸籍がなかったり、大人の都合で介護に追われたり、大人の都合で親がいなかったりした。
大人の都合で…。そして罪を犯し、少年刑務所にいる。
もちろん同じ境遇でも罪を犯さない人も大勢いる。
ツライ境遇だと必ず罪を犯すみたいな言い方は好きじゃないけど、大きなきっかけのひとつであることは確かで。
すごく怖い映画を観た気持ちになった。
すでに何度か観たが、一緒に観た友人とは「怖い怖いあんまり考えないようにしよう(早口小声)」という結論に至った。
そして私の感想は「猪狩蒼弥くんが本人役で出る映画ってこれが最初で最後じゃない?すごい!!ローラーすごかった!!!こんなに大きく映っていて嬉しい!!綺麗!美しかった!」という物になった。完全なる逃避である。(でも本音)
みなさんは、この映画で、何を感じましたか?
2019.4.1
◼️映画「少年たち」2019.3.29公開