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藤ヶ谷太輔が演ることに意味がある/そして僕は途方に暮れる

「なんかすっごい面倒な生き方してる効率の悪いお話だなぁ…」というのが最初の感想でした。

ねぇ、この主人公に共感とかする?みんなどうなの??三浦さんが書いてるってことで、むしろ共感ではなく、面白い視点!って方向狙いかなぁと思ってたのだけど。

 

だってさ、別れ話が出たらそのまま進めた方が楽じゃない?逃げたら余計に大変じゃん?

その場で適当に済ませるってことも、逃げの一種だと思うんだけど。

裕一(藤ヶ谷太輔)の逃げは、結論を出さずに自分から答えることから逃げるという、後々大変になる逃げで、よくそっちを選ぶなぁ逆に尊敬するわってレベルに大変な道を選んでいた…。

え、マジでこんな生き方共感する人いる?クズっていうか、グズだよ?そんなにいないんじゃないかな?そんな意味ですごく後味の悪い作品でした。共感箇所がない。(バッサリ)

 

観劇した日は、初日から数日後だったんだけど藤ヶ谷くんの印象は、役のことわからないままやってない?でした。あ、いい意味で。

あまりにもフワッとしていて、この役を心底理解はしていなくて、ただ、その世界に起きたその出来事に、フワッと対処してるだけのように見えた。

なんかのインタビューで、裕一のことはわかんないって言ってたけど、多分そうなんだと思う。

ある程度のラインまではもちろんわかっているはずだし、そんな甘い世界じゃないから、きちんと固めているはずだけど、心底わからずにやっていて、でもそれがいい味に繋がってる。役の特徴と、藤ヶ谷くんの性格と、演出家の狙いのバランスが見事にマッチしたんじゃないだろうか…。

 

だから、ハッキリ言って、泣き所は、ない。泣くような舞台ではない。(と、感じました)

フワッと、絶妙な、空間。

泣かせる作品のが簡単だしね…笑わせる方が難しいよね…だから、シリアスな中に笑いもあって、でも何かを残す作品は、すごい貴重なバランスで成り立ってる。

 

そして、舞台セットがこれでもか!ってほどに面白い。現代劇の中で近年稀に見る個人的に好きなやつでした。(好みのお話)

 

難しい役といえばそうかもしれない。でも、難しい役を誰がやるかじゃなくて、これは、藤ヶ谷くんがやるから難しい役に見えてるのかなって思った。

フワッとしてる部分や、理解してる?と、思わせる掴み所のないところ。そんな絶妙な裕一だからこそ、難しい役に見えるんじゃないかな?

だからもし、他の人がやれば違う裕一になっていたと思うし、もっと単純になっていたかもしれない。

全然難しくないかもしれない。そう感じた。

ちょっと誤解されるかもしれないけど、言う。すごいね!難しく見せるのが上手だわ。

きっとそこには長い時間かけて役に向き合って、苦労した部分があるんだと思う。見えないその部分を考えると、心がぎゅっとする。

 

一度見ただけですし、それから2週間くらい経ってる。でも、まだ観劇予定があるので最初の気持ちは残しておきたいなぁ、と、残しました。

詳しい描写や、情景なんかは、また終わってからまとめるかな。わかんないけど。

 

ただ、裕一は、藤ヶ谷くんがやるから意味があるんだなぁと感じた。舞台観に行ってもそんな感じ方をさせてくれる人はそんなに多くないし、ましてやジャニーズでそう思わせてくれる人ってほとんどいないから、藤ヶ谷くんの可能性に期待してる。

 

 

 

 

 

◾️そして僕は途方に暮れる

シアターコクーン

2018.3.11昼

 

#そし僕 #そして僕は途方に暮れる